UGCとは?生み出す方法、マーケティング活用事例、注意点を解説
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SNSや口コミサイトが浸透して気軽に情報発信できる時代になりました。これに伴い、消費者は商品を購入する際に口コミやレビューを参考にすることが増加しています。
このようなレビュー・口コミなどのコメントや、SNSでの商品・サービスの画像など、ユーザーが作成したコンテンツは「UGC」と言い、購買プロセスにおいて大きな影響力をもつようになりました。
本記事ではUGCの概要をふまえ、UGCを増やす方法やマーケティングへの活用事例などを紹介します。ぜひ本記事を参考に、自社のマーケティング活動にUGCを取り入れてみてください。
この記事の目次
UGCとは
UGCとは「User Generated Content」の略で、日本語では「ユーザー生成コンテンツ」と訳されます。商品・サービスを利用したユーザーが投稿したレビューや口コミなどのコメントが、UGCに該当します。
たとえばECサイトで商品を購入するか迷っているときに、レビューを参考にして購入するかどうか判断する人は多いのではないでしょうか。またインスタグラムなどで商品名を検索し、体験談や口コミを確認する人もいることでしょう。
このように実際に利用したユーザーの声は、購買の後押しになることもあります。そのためUGCは購買活動において重要な役割を担っており、企業は自社商品についての良いUGCを生み出すための取組みが求められているのです。
UGCの具体例
UGCとは「ユーザーが作ったコンテンツ」のことですが、具体的にどのようなものが該当するのかイメージしにくいという人も多いかもしれません。
主に、以下のものがUGCになります。
- SNS(TwitterやInstagramなど)の商品・サービスを利用したレビュー投稿
- ECモール(Amazonや楽天など)やECサイトの商品レビュー
- YouTubeやTikTokなどの商品・サービスを利用したレビュー動画
- 食べログなどの飲食店レビュー
- ホットペッパービューティーなどの来店レビュー
- 口コミサイトへの投稿
- 掲示板(BBS)への投稿
- 個人ブログでの感想や体験談
CGMとの違い
UGCと混同しやすい言葉に「CGM」があります。
CGMとは「Consumer Generated Media」の略で、日本語では「ユーザー投稿メディア」と訳される、ユーザーの投稿によって成り立っているメディアのことです。つまりCGMは、多数のUGCによって成立していると言えます。
具体的には、クックパッドやアットコスメ、Yahoo!知恵袋やネット掲示板などがCGMに該当します。
UGCとCGMは似ているようですが意味が異なるので、ぜひ覚えておきましょう。
UGCが重要視されるようになった背景
近年、UGCはWEBマーケティングにおいて重要視されています。その背景には以下の3つの要因があります。
ソーシャルメディアの広がり
口コミサイトやFAQサイトなどのソーシャルメディアが急速に広がり、ユーザーが気軽に情報発信できる時代になりました。特にSNSの普及率は著しく、情報通信白書によると2019年のSNS利用率は69%にも及び、2018年の60%よりも9ポイントも増加しています。(※1)
口コミサイトやECサイトのレビューなどは、わざわざ商品ページを検索しなければUGCを確認できません。しかし拡散力が高いSNSではリツイートやシェアなどでUGCが伝達されていき、多くのユーザーに対して自然とUGCが広がっていきます。
こうしてユーザーが情報を気軽に発信できるソーシャルメディアの影響力が強まったことで、UGCの重要性が高まったのです。
(※1):https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/pdf/n5200000.pdf
購買プロセスの変化
インターネットやスマートフォンが普及したことで、ユーザーの購買プロセスは大きく変化しました。
従来はAIDMAに代表されるように、テレビCMや店頭で商品を認知して購入するというシンプルな購買プロセスでした。
しかし商品を認知してからインターネットで商品について検索して購買に至るAISASへと変化し、近年はSNSなどのインターネットメディアで情報収集してから購入するDECAXが主流になっています。またAISASもDECAXも、商品購入後に体験を共有するというプロセスが追加され、UGCの発信が一連の購買プロセスに含まれています。
実際に、ユーザーがソーシャルメディアを通じて購買プロセスを進めているということが明らかになったデータもあります。データマーケティング支援を手掛けるGlossom株式会社の調査によると、ECサイトのレビューやSNSなどが商品・サービスの購入時の参考や後押しになっているというユーザーはどの年代でも一定の割合存在し、特に若年層ほどSNSの影響が強いという結果になりました。
広告への嫌悪感
インターネットを閲覧していると、リスティング広告やディスプレイ広告、リターゲティング広告などのさまざまなWEB広告を目にします。
広告をきっかけにして認知や購入などにつながるケースは多いですが、その一方で広告に対して「うっとうしい」「必要ない」と感じているユーザーも少なくありません。アメリカのWordStream社の調査では、リスティング広告のクリック率は2~6%程度、ディスプレイ広告では1%未満という結果からも、WEB広告は率先してクリックされていないことがわかります。
このような背景から、企業から一方的に配信される宣伝色が強い広告の効果が薄れてきている傾向です。
その一方で影響力を強めたのがUGCです。第三者である実際のユーザーにより発信されたコンテンツのため広告のような宣伝色がなく、ユーザーは嫌悪感を抱かずに情報を吸収できます。
UGCをマーケティングに取り入れるメリット
UGCをマーケティング施策として取り入れる企業が多く見られるようになってきました。UGCを導入することで、以下のようなメリットや効果が期待できます。
体験イメージの共有により親近感を与えられる
企業が配信する情報は、どうしても企業の主観が入ってしまい宣伝色や押しつけ感が出てしまいます。そのためユーザーは「本当にそんな効果があるの?」「大げさに言っているのでは?」と思ってしまいがちです。
しかしUGCの内容は企業がコントロールできないものなので、ユーザーはUGCの情報はすんなりと受け入れやすい傾向にあります。
またユーザーが実際に使用した正直な感想であるため、親近感を与えられるというメリットもあります。
コストを抑えられる
UGCはユーザー自身がテキストや画像などを使用してコンテンツを制作してくれるため、企業はコンテンツ制作費がかかりません。
またSNSなどで拡散されれば新たなユーザーにリーチでき、広告費をかけずに自然と情報が広がっていきます。
そのためUGCをうまく活用することで、コストを抑えてマーケティング活動ができるのです。
新商品開発やサービス改良のヒントを得られる
UGCはユーザーの生の声なので、商品開発や改良のヒントを得られる場合もあります。
「もっとこうなら良かった」「ここが使いにくかった」などのユーザーの声を参考にすることで、よりユーザーのニーズを反映した商品やサービスを生み出せます。
ユーザーニーズの調査をしたいと考えている企業や、商品にもっとユーザーの声を反映させたいと考えている企業は、UGCを収集してみると良いでしょう。
UGCを生み出す方法
UGCはユーザー自身が作成するものなので、企業が主導して作成をコントロールするのは困難と言えます。しかしユーザーが「UGCを作成したい」と思える仕組みを構築できれば、UGCの生成をある程度は誘導することが可能です。
それではUGCを生み出すための工夫を5つ紹介します
ユーザーとコミュニケーションを取る
良いUGCを増やすためには「この企業の口コミを書きたい」「この商品を紹介したい」と思ってもらうことが重要です。そのために、ユーザーとコミュニケーションを取って距離を縮め、信頼関係を構築しましょう。
ユーザーとのコミュニケーションの取り方はさまざまですが、例として以下の取組みが挙げられます。
- SNSでのリツイートやコメント
- 口コミに対する返信
- メルマガ配信
- オウンドメディアやブログでの記事投稿
インフルエンサーを起用する
WEBメディア上で影響力のあるインフルエンサーを起用し、商品やサービスを利用してもらってUGCを作成してもらう方法もあります。主なインフルエンサーとしては、Instagramで活動する「インスタグラマー」やYouTubeで活動する「ユーチューバー」などがありますが、SNSで情報を発信している芸能人やタレントも該当します。
インフルエンサーは複数のフォロワーがいるため、UGCの拡散が期待できます。今までリーチできなかった層にもアピールできるチャンスになるでしょう。
ただしステルスマーケティングだと疑われてしまうリスクもあります。広告主についての明記や、インフルエンサーと企業との関係性の明示などを忘れないようにしましょう。
またインフルエンサーを起用すると、商品・サービスの無償提供のほかにも、宣伝費としてインフルエンサーに金銭を授受する場合もあります。コストがかかる点には注意してください。
ハッシュタグキャンペーンを実施する
ハッシュタグキャンペーンは、ユーザーがUGCを生成する大きなきっかけになります。
ハッシュタグキャンペーンとは、企業が指定したハッシュタグを付けてユーザーが投稿した内容に対し、企業がリツイート/いいねをしたり景品を贈ったりする取組みです。
ただしハッシュタグキャンペーンは、当然のことながらハッシュタグ機能が付いているメディアでのみの取組みとなります。一般的にはTwitterやInstagramがメインになるので、それ以外のソーシャルメディアを活用したい場合は別のキャンペーンを打ち出しましょう。
体験モニター施策を実施する
SNSアカウントを保有しているユーザーを集め、商品やサービスのモニターとして体験してもらった感想を投稿してもらう方法もあります。
一般的には商品・サービスは無償で提供することが多いためコストがかかりますが、インフルエンサーを起用するよりもコストを抑えられる点はメリットです。
ただしインフルエンサーを起用する場合と同じように、ステルスマーケティングだと誤解されないよう注意しなければいけません。
紹介したいと思わせるプロダクトを作る
そもそもユーザーが「この商品を紹介したい」「このサービスについて書きたい」と思ってもらわなければ、自然にUGCが増えていくことはありません。
ユーザーが紹介したいと思ってくれる商品を開発し、ユーザーの満足度を高めてUGCを作成する好循環を作りましょう。
また既存商品・サービスの改良を重ね、ブラッシュアップすることも忘れてはいけません。
UGCの活用事例
UGCはどのようにマーケティングに活用したら良いのでしょうか。おすすめの活用方法を、事例を参考に紹介します。
自社のSNSアカウントでの投稿
一つ目が、ユーザーのUGCを自社のSNSアカウントで活用する方法です。質の高いUGCを企業アカウントの投稿に活用することで、クリエイトのクオリティを担保しつつ、ユーザーに親近感を与えられます。
たとえばUNIQLO銀座店の公式Instagram(uniqlo_ginza)では、ユーザーのコーディネートの投稿画像を使用しています。気に入った商品があれば購入できるよう、商品名・価格・品番も掲載しています。
WEBサイトやオウンドメディアに掲載
自社で運営しているWEBサイトやオウンドメディアなどにUGCを掲載する方法もあります。
特にECサイトで多く取り入れられている方法です。ユーザーが着用した画像のUGCを商品紹介ページに掲載しているサイトは、多く見かけるようになりました。
たとえばインテリアグッズを扱うFrancfrancでは、公式オンラインショップにてユーザーのInstagram投稿を掲載しています。ユーザーが投稿に使用した商品をそのまま購入できる導線も設計されており、コンバージョンにつながりやすい工夫がされています。
広告やLPに掲載
宣伝色が濃くなりがちな広告やLP(ランディングページ)も、ユーザーによるUGCが掲載されていれば宣伝色が薄まり、ユーザーが受け入れやすくなります。
広告やLPはWEBサイトのように複数の階層があるわけではないので、機能・効果・ベネフィットなど伝えたい情報を盛り込みすぎるとユーザーが混乱してしまいます。そこで機能や効果について説明したUGCをいくつか貼り付けるだけで、情報が整理され見やすい印象になります。
チラシやポスターに掲載
UGCはデジタル媒体のみで活用できるわけではなく、アナログでも利用可能です。
チラシやポスターなどの紙媒体にUGCを掲載することで、WEB以外のチャネルからの集客にも対応できます。たとえばUGCが掲載されたチラシを、展示会で配ったり資料送付時に同封したりするなどの方法が考えられます。
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UGCを活用する際の注意点
UGCはうまく活用できれば大きな効果が期待できますが、活用するにあたっていくつか注意しておくべきポイントがあります。
UGCをマーケティングで活用する際に意識してほしい注意点を解説します。
ステルスマーケティング対策をする
ステルスマーケティング、通称「ステマ」は「やらせ」「サクラ」とも言われる行為です。インフルエンサーを起用した際など、宣伝目的の投稿であることを悟られないように口コミやレビューを投稿するのがステマにあたります。
ステマはユーザーを騙す行為であるため、発覚したときには信用失墜など大きなリスクをはらんでいます。
ステマ対策としては、主に以下の方法があります。
「A社とのタイアップ投稿です」「A社の新商品をいただきました」など広告主とインフルエンサーの関係性を明記する
「#プロモーション」「#タイアップ」など投稿内容をハッシュタグで明記する
偽装行為・不正行為をしない
なお、ほかのステマ対策方法はWOMマーケティング協議会が提唱している「WOMJガイドライン」に記載されています。ぜひ確認しておきましょう。
誇大広告にならないか確認する
UGCのなかには、過剰に評価されているものや表現方法が過大になっているかの確認も必要です。そのUGCをそのまま自社のSNSやWEBサイトに使用すると、誇大広告となってしまうリスクがあります。
誇大広告は景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)で規制されています。もし法に抵触してしまうと罰則に対象になるため、使用するUGCはよく見極めましょう。
著作権対策をする
UGCはユーザーが作成したコンテンツのため、勝手に使用すると著作権を侵害してしまう危険性があります。使用する際には作成したユーザーに連絡を取り、ユーザーの許諾を得てから使うようにしましょう。
ユーザーに連絡を取る手段としては、投稿のメッセージ欄やSNSのメッセンジャー機能が挙げられます。企業名や使用目的、掲載媒体などを明記し、必ずユーザーから許諾の返信がきてから使用しましょう。
UGCの生成方法や活用事例に関するまとめ
UGCはユーザーが商品を認知したり購入を決めたりする参考となるものであり、購買プロセスにおいて重要な役割を担っています。良いUGCが増えるほど多くのユーザーに対する訴求力が強まるうえ、自社のSNSやWEBサイトにも活用できます。
しかしながら、UGCはユーザー主導で作成するコンテンツのため、企業がUGCの作成を無理強いするのは難しいものです。そのため、ユーザーとコミュニケーションを取って信頼関係を作ったり、ユーザーが紹介したくなるような商品を開発したりするなど、地道な努力が欠かせません。
ぜひ本記事を参考に、UGCが生み出される仕組みを構築してマーケティングにUGCを取り入れましょう。
UGCマーケティングのご相談はUP SPICEまで
UGCの生成は企業主導で行うことが難しいため、どのように取り組んでいけば良いのかわからないという人も少なくありません。
弊社、株式会社UP SPICEではクライアント様のマーケティング活動を支援しております。UGCを増やすために、コンテンツマーケティングやSNSマーケティングなどでユーザーとコミュニケーションを取ったり、弊社独自のコネクションでインフルエンサーを手配したりすることが可能です。
また社内にWEBサイトやランディングページの制作部隊を保有しており、収集したUGCを活用したWEBサイトやLPの制作も承っております。ユーザーの心に響くWEBサイト制作はお任せください。
まずは下記お問い合わせフォームから、お気軽にご相談ください。
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