新SERP「PAA」とは?PAAを味方に付ける5つのSEOテクニックを解説
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近年のGoogleの検索結果画面は、青い10本のリンク以外にも強調スニペットや動画、ニュースといった情報が記載されており、この数年で大きく変化しています。
とはいえ、ローカルパックやナレッジグラフへの対応など、Googleのあまりに早い変化への対応に追われている方もいるでしょう。そんな中、また新たにPAAという新たなSERP機能が追加されました。
この記事では、PAAとは何か、WEB担当者としてどのように対応すればいいのかを解説していきます。PAAを味方に付ける5つのテクニックについても紹介していますのでぜひ参考にしてください。
この記事の目次
PAA(People Also Ask)とは
PAA(People Also Ask)は、検索画面に「他の人はこちらも質問」と表示される新しいSERP機能です。SERPとは、何らかのキーワードで検索された際に表示される検索画面結果を指します。
SERPは検索結果に対応した記事のタイトルである「青い10本のリンク」以外にも、リスティング広告のほか、動画や画像、地図などの地域情報のように、ユーザーが検索画面だけで疑問が解決できるように、さまざまな進化を遂げています。今回ご紹介するPAAもそのSERPのひとつです。
PAAは、たとえば「1976年」と検索した場合、検索結果画面に「他の人はこちらも質問」と表示され、1976年生まれの人は現在何歳なのか、1976年に何が起きたのかなどがアコーディオン型のボックスで表示されています。
それぞれの質問をクリックすると、「1976年 満何歳?」の質問では年齢早見表が表示されるほか、「1976年何が起きた?」の質問では、1976年に日本国内や世界で起きた事件・事故の詳細が展開されています。
その他の質問を見ると、「1976年」と検索した人がさらに検索しそうな質問も表示されていることが確認できます。
PAAはさまざまな位置で表示される
今回検索したキーワード「1976年」では、PAAは検索1位に表示されているWikipediaのすぐ下に、つまり上部に表示されていました。しかし、「猫 吐く」と検索した際は、検索結果画面の中央にPAAが、「メダカ 育て方」と検索した際は、検索結果画面のやや下方にPAAが表示されていたのです。(2022年4月検索時)
つまり、PAAは常にSERPの上部に表示されるのではなく、キーワードによってPAAの表示される場所が異なるということです。
そのため、PAAの位置は、CTR(クリック率)やサイトの可視性に影響があるといえます。特にスクロールをしなければ表示されないスマートフォンでは、CTRに大きな影響を与えるでしょう。
PAAの表示に上限はない
PAAの表示数に上限はありません。先ほどの検索キーワード「1976年」では、PAAは「1976年 満何歳?」「1976年何が起きた?」の質問と合わせて4つの質問が表示されていただけでした。しかし、質問をひとつずつクリックして開く度に表示される質問が増えていったのです。
増えていた質問は最初に検索したキーワードに関連するものや、「ペリーは何時代?」というような、あまり「1976年」とは関連性のないものまで含まれています。
「ペリーは何時代?」の質問をクリックすると、さらに下へ「なぜアメリカは日本に開国を迫ったのか」というようなペリーに関する質問が並び、最初に検索したキーワードである「1976年」とはまるで異なる質問が表示されるようになっています。
また、「猫 吐く」のキーワードでは、猫が吐く原因や吐いてしまったときの対処方法についての回答はありましたが、「1976年」のように、まったく異なる他の動物に関連するような質問は表示されませんでした。
PAAは、「関連キーワード」や「WEBページへのリンク」といった検索結果画面に表示されるその他のSERPに比べると、キーワードによっては非常に柔軟性が高いことがわかります。
PAAのデータ元はWEBサイトの内容
PAAに表示されるスニペット(回答)はGoogleが回答しているのではなく、質問の回答となる各既存サイトのコンテンツから抜粋し、ページのタイトルとURLを含めて表示させているのがわかります。
ページ内のコンテンツの一部のほか、Googleが回答として表示するに値すると判断したサイトのQ&Aなども掲載されています。また、回答は文章だけではなく、サイト内のアイキャッチや画像、表やリストなどのほか、動画で回答が示される場合があります。
また、PAAの回答に表示される内容は、強調スニペットとしてSERPの最上部に表示されるサイトの場合があります。まったく同じものが表示されることもあれば、別のサイトのコンテンツが表示されている場合もあるのです。
例として「猫 毛玉を吐く」と検索した場合を見てみましょう。
上記の画像は、強調スニペットとして表示されている、あるサイトのコンテンツです。
少し下にスクロールすると、検索結果画面の中央あたりにPAAが表示されていましたので、PAAの最上部をクリックすると、別のサイトのコンテンツが表示されていました。
いくつかクエリを入力して実際に検索してみましたが、強調スニペットと同じサイトがPAAに表示される場合もあれば、別のサイトのコンテンツがPAAとして表示されている場合もあります。
数ヶ月前は、強調スニペットとPAAの抜粋元はまったく同じサイトばかりが表示されていたようですが、現在では別のサイトの内容が抜粋されることもあります。
PAAにはフィードバック機能がある
PAAにはフィードバック機能があります。「フィードバック」と書かれたリンクをクリックすると、このPAAが役に立ったかどうか、意見やコメント・提案をGoogleに送れるポップアップが表示されます。
意見は以下のように4つあります。
・関連性がない
・エラーが発生した
・役に立たなかった
PAAの精度を改善するのにも役立つのでしょう。ただし、送信したフィードバックがクエリに対するランキングに直接影響することはないとも明言しています。
「他の人はこちらも検索」との違い
PAAがクエリを入力した際に最初から検索結果画面に表示されるのに対し、「他の人はこちらも検索」は、どこかのリンクをクリックしたあと、検索結果画面に戻ってきた際に表示されるという違いがあります。
ただし、モバイルでは「他の人はこちらも検索」が最初から表示されることがあります。
例としてPCから「猫 吐く」と検索し、あるサイトをクリックしたあと、検索結果画面に戻ってみました。すると、上記の画像のように、「他の人はこちらも検索」が表示され、その下にPAAである「他の人はこちらも質問」も表示されています。
両者を比べてみると、「他の人はこちらも検索」がキーワードの羅列であるのに対し、PAAは自然な質問の文章になっていることがわかります。
これはユーザーの検索方法がPCやスマホからのキーワードの入力だけではなく、スマートスピーカーの台頭によって自然言語化されたからだと推測されます。
これからのコンテンツ制作は、こうしたユーザーの意図や環境の変化に対応していく必要があるといえるでしょう。
PAAを味方につけるには
PAAは検索結果画面にサイトから抜粋された文章や表・リストなどが表示される新しいSERP機能です。一般的にはPAAによって検索結果画面だけでユーザーの悩みの一部が解決するわけですから、サイトへのトラフィックが減る原因と考えがちです。
しかし、PAAに表示されることでさらにユーザーの興味を引き、コンテンツへと誘導できると考えれば、PAAを活用してトラフィックを増やすことも可能です。
- Googleのポリシーを準拠する
- 強調スニペット対策を行う
- 検索上位を目指す
- 構造化データをマークアップする
- AlsoAskedを使ってコンテンツを作成する
Googleのポリシーを準拠する
Googleは、WEBマスター向けガイドラインのポリシーに違反しているサイトを上位表示させることはありません。無断で他のサイトからコンテンツを複製したり、コンテンツに関係のないキーワードを詰め込んだりといった、ユーザーを欺くような手法はやめるべきです。
Googleでの検索順位を上げるための不正行為をせず、Googleのポリシーに準拠してユーザーに役立つコンテンツを提供しましょう。
PAAが回答であることを意識する
PAAは、ユーザーが検索した質問に対する関連した質問を表示させています。PAAで表示されるには、PAAが回答であることを意識し、質問に対する最適な回答をコンテンツへの記載が重要です。
たとえば「猫 平熱」と検索すると、強調スニペットには「猫の平熱は38度から39度である」と明確な答えが記載されているページが表示されています。少し下にスクロールするとPAAが表示されており、「猫 体温が高い理由」「猫の体温がいつもより高い?」という質問に対して、回答ではユーザーが理解しやすい言葉で簡潔にまとめられていました。
これらのことから、質問に対する的確な回答をわかりやすくコンテンツとして制作することが、PAAに掲載されるために非常に重要です。また、「~だと思う」「~だと考えられる」などのような曖昧な結びではなく、質問に対してハッキリと答えを言い切るのも大切です。
さらに、質問に関連する内容に対してある程度網羅できるようコンテンツを充実させたり、表やリストを使ってユーザーが理解しやすい内容になるように努めましょう。
検索上位を目指す
PAAに表示されているサイトは、検索結果で上位10位以内に表示されているサイトばかりです。PAAに表示されるには、特定のキーワードで検索上位を目指したSEO対策が有効です。
Googleが公式に公表している「ウェブマスター向けガイドライン」では、良質なコンテンツを制作するために参考となる項目を紹介しています。
- 情報は信頼できるものか
- 十分な知識を持つ専門家や愛好家によって書かれたものか
- サイトに類似しているまたは重複している記事はないか
- スペルや文体の間違い、事実誤認はないか
- 独自の調査や分析を提供しているか
- 公平な内容か
- 自らブックマークしたり友人と共有できる内容か
- 記事の長さは短くないか、有用な情報が不足していないか
また、現在サイトにあるコンテンツのタイトルを変更したり、内容に過不足がないかを確認して、よりわかりやすいコンテンツになるようリライトするのも効果的なSEO対策です。
適切なHTMLタグでマークアップする
PAAや検索上位に表示されるには、Googleのクローラーが正しくサイトをクロールできるよう、適切なHTMLタグでマークアップすることも大切です。
見出し構造がHTMLタグによって最適化されているのはもちろん、テーブルへのtableタグの使用や、リストにはリストタグを用いるなど、正しいHTML形式で記述するのはPAAだけではなく、SEO対策においても非常に重要です。
AlsoAskedを使ってコンテンツを作成する
日本より先にPAAが導入された海外では、コンテンツにFAQやよくある質問を記載して、PAAの獲得につなげています。海外ではPAA対策として、関連クエリを抽出できるAlsoAskedのようなツールを活用しています。
AlsoAskedは、検索窓にキーワードを入力し、searchボタンをクリックすると、PAAの質問が表示されます。
キーワードを入力するだけでPAAの結果を返してくれるため、制作するべきコンテンツや質問を効率よく見つけられます。
AlsoAskedは無料で利用でき、日本語にも対応しています。こうしたツールを活用して、PAA獲得を目指しましょう。
まとめ
PAAは、「他の人はこちらも質問」と表示される新しいSERP機能です。キーワードによってはPAAに表示数に上限はなく、クリックする度に質問が増えていきます。PAAには関連のある質問のほか、そのキーワードを検索したユーザーが興味を持ちそうな質問も表示されているため、ある程度情報を網羅して適切な回答を記載すると、PAA獲得につながります。
それにはもちろんGoogleのポリシーを守り、適切なHTMLタグでマーキングするなど、通常のSEO対策も重要となります。Googleの今後の動向を引き続き注視しながら、今できる対策を講じていきましょう。
弊社、株式会社UP SPICEでは、Googleの変化に素早く対応しながら、SEOに強く資産となる記事作成を得意としております。ユーザーのニーズに合ったキーワード選定やコンテンツ記事作成までワンストップで対応しています。 ご質問は随時承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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