インバウンドマーケティングとは?具体的な方法やメリット・デメリットを紹介!
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現在、私たちのまわりには様々な商品やサービスがあふれ、それに伴って流通する情報量も増える一方です。ライフスタイルも多様化し、自分の嗜好や価値観に合った商品やサービスを、多くの選択肢から自由に選ぶことができるようになりました。
多様化する消費者の購買行動を促すためには、旧来からの画一的なマーケティング手法は最適とは言えません。効果的なのが「インバウンドマーケティング」です。インバウンドマーケティングについての知識をつけ、多様化する消費者ニーズに合ったマーケティング施策の実践へとつなげていきましょう。
インバウンドマーケティングとは?
インバウンドマーケティングとは、企業側から商品やサービスを売り込むのではなく、消費者自ら購買につながる行動を起こさせるマーケティング手法です。
具体的には、企業はSNSやオウンドメディア、ホワイトペーパー、セミナー等を通じて、消費者にとって魅力的な情報を発信します。それらの情報が検索エンジンに上位表示されたりSNSで拡散されたりすることで、消費者に商品やサービスへの興味をもってもらい、さらには優良顧客化にするという、このプロセスを「インバウンドマーケティング」といいます。
「インバウンド」と聞くと、思い浮かぶのは訪日外国人観光客のことではないでしょうか。「インバウンド」には「内側へ向かう」という意味があります。消費者が企業や商品・サービスに自発的に興味をもち引き寄せられていく手法のため、「インバウンドマーケティング」と名づけられました。
主流はインバウンドマーケティング
情報技術やデバイスの発達にともない世の中には情報が飛び交い、自分に必要な情報は誰かから与えられなくても自分で探し出せる時代となりました。またライフスタイルや価値観も多様化したことで、企業からの画一的なメッセージではひとりひとりに響きにくくもなっています。
そうした状況では、企業が消費者にとって魅力あるコンテンツを用意しておき、消費者主導で情報を選択しアクセスすることのできるインバウンドマーケティングは、今の消費者心理や消費動向にマッチする手法と言えます。
消費者が何か欲しいと思った時、まず行うのはネット検索でしょう。そこで商品のスペックや価格を検索。比較したり、SNSや動画で実際に使った様子や評価をチェックしながら、自分にとっていちばん合う商品を選んでいきます。
一企業一個人のおすすめだけで決めることはまれで、多方面から判断して納得のいく商品を選びたいと思うのは当然です。そこで企業がどんなコンテンツを配信していくかは非常に重要になってきます。
アウトバウンドマーケティングとの違い
インバウンドマーケティング | アウトバウンドマーケティング |
・SEO ・ブログ ・ソーシャルメディア ・eBook ・メールマガジン |
・新聞広告 ・展示会 ・テレマーケティング ・ダイレクトメール ・TVCM |
インバウンドマーケティングの対義語にあたるものが、「アウトバウンドマーケティング」です。アウトバウンドマーケティングとは、企業側から消費者にアプローチするマーケティング手法です。
具体的にはテレビや新聞などマスメディアでの広告や展示会、テレマーケティング、ダイレクトメール等がこれにあたり、主に不特定多数に向けたものです。
これらの手法は「一斉に」行われるため、受け手の状況やタイミング、どんな情報を欲しているかに細かく対応することが難しくなります。そのため、情報の受け手側は一方的な押し付けと感じるため、近年では避けられる傾向にあります。
インバウンドマーケティングがプル型、アウトバウンドマーケティングがプッシュ型と考えてよいでしょう。
コンテンツマーケティングとの違い
消費者の興味を引くようなコンテンツを充実させることがインバウンドマーケティングであれば、「それはつまりコンテンツマーケティングと同じでは?」という疑問も浮かぶと思います。
実際混同して使われることも多い両者ですが、コンテンツマーケティングとは、コンテンツを充実させることで消費者をファン化させるための手法です。
一方インバウンドマーケティングとは、そうしたコンテンツマーケティングの要素をもちながらも、さらに多くのマーケティングアクションを用いて消費者を優良顧客化するまでの、全てのステップやツール、サイクルの総称です。
コンテンツマーケティングは手法、インバウンドマーケティングはプロセスをさすのです。
インバウンドマーケティングのメリット・デメリット
インバウンドマーケティングにも得意分野と、その運用にあたって懸念される要素があります。ここではインバウンドマーケティングを実際に取り入れることで得られるメリットと、その際に起こりうるデメリットを理解しておきましょう。
インバウンドマーケティング3つのメリット
インバウンドマーケティングのメリットは主に3つあります。詳しくみていきましょう。
【メリット1】不快感の低減
興味のないダイレクトメールやテレビCMなど、その情報を消費者が欲していない場合、あるいは欲していたとしてもタイミングを間違えた情報を一方的に与えられることは、消費者にとっては不快です。消費者の時間や空間に割り込んでくるその行為によって、企業イメージを損ねることにもなりかねません。
インバウンドマーケティングでは、消費者側が興味のある情報に好きなタイミングでアクセスすることができます。魅力的なコンテンツと、そうした情報への快適なアクセス、押し付けがましくない企業姿勢は、逆に企業イメージを向上させることにつながります。
【メリット2】低コスト
アウトバウンドマーケティングで用いるマス広告やイベントは、露出量が効果に直結します。しかしその情報はどんどん流れていってしまうため、少しでも消費者の記憶に残そうと様々な媒体に一斉に出稿します。その結果コストがかさんでしまいます。
一方、インバウンドマーケティングで用いるSNSやオウンドメディア、ホワイトペーパー、セミナーは、低コストで実現することができます。情報の露出量は少なくても質の高いコンテンツをコツコツ積み重ね、いつでも見てもらえる状態にしておくことで、結果的に集客へのコストパフォーマンスは高くなります。
【メリット3】コンテンツの資産化
コンテンツを蓄積するインバウンドマーケティングでは、コンテンツを配信するごとに消費者の興味を誘引できる資産を増やすことができます。質の高いコンテンツを多くもつことで、企業はその価値を高めることもできるのです。
オウンドメディアをつくるとなぜ、広告効果が挙げられるのか。その仕組みについて
インバウンドマーケティング3つのデメリット
魅力的なインバウンドマーケティングですが、実現にはいくつかのハードルがあります。
【デメリット1】専門知識の不足
買い手が情報を得る際に有益なメディアツールは次々に更新されていきますが、その専門知識を得るには時間も経験も足りないのが現状です。見よう見まねで始めることもできなくはないのですが、慣れないために必要以上に時間がかかったり、不十分なままの効果検証となりかねません。
【デメリット2】社内リソースの不足
新たに担当者を選出するための時間的コストも忘れてはいけません。担当者に専門知識や経験が不足している場合、教育やフォロー体制も必要となります。教育にはある程度まとまった時間がかかるため、その期間はインバウンドマーケティングの効果をあげることは、あまり期待できません。
【デメリット3】長期視点での運用
専門知識を得た社内リソースを確保できたとしても、異動や退社といった個人に属した事情により、とたんに不都合が生じます。コンテンツの充実のためにはコツコツとした長期的な運用が不可欠です。個人のスキルに依存した社内リソースだけに頼ることには、不安要素が残ります。
インバウンドマーケティングの方法と必要なコンテンツ
実際にインバウンドマーケティングに取り組もうとしたとき、どのようなフローで何が必要なのでしょうか。全体フローをまずはしっかりと理解し、それぞれでやるべきことを把握しましょう。
WEBサイトの集客
まずは自社の商品やサービスを知らない人にもWEBサイトへアクセスしてもらうために、集客用コンテンツを用意します。その際は消費者がどのような情報を欲しているのかを多方面から考える必要があります。
お役立ち情報や直接的な課題の解決法はもちろんニーズがありますが、消費者の属性から興味をひきそうなトレンドの話題や業務上のお悩み解決に関するTipsなどを話題にするのもよいでしょう。
「役に立つ」「おもしろい」だけでなく、「共感」を呼び起こすことで消費者に親近感を覚えてもらい、繰り返しアクセスしてもらうことができます。
見込み客の教育
何度もアクセスしてくれる時点で、消費者はすでにそのWEBサイトへの信頼感を高めています。そこからは、メルマガ登録や特典コンテンツのダウンロードへと誘導し、消費者の氏名やメールアドレス等連絡先の登録を促しましょう。メルマガや特典コンテンツに関する追加の情報を定期的に提供することで、自社の商品やサービスに対する理解を深め、見込み客へと教育していきます。
商品・サービスの成約
見込み客に自社の商品やサービスについて理解してもらったら、滞りなく購買につなげるための情報を、適切なタイミングで提供していきます。例えば、サービスや料金の比較表を送ることで購入に際して生じる不安や懸念点を払拭できます。また導入事例や無料体験の提供により、実際に利用した時の具体的なイメージができるようになるでしょう。
リピーター育成
一度購入してもらったら、また使いたいと思ってもらうことが重要です。リピーターにとどまらず、さらにはファンになってもらえば、彼らからの自発的な口コミやSNSでの発信が期待できます。そして新たな顧客創出の可能性が広がるのです。
そのためには購入後のフォローが重要です。アンケート等で感想を聞き出し、満足な点・不満な点双方に確実に対応していくことで、消費者との信頼をより強固にすることができます。購入者限定の特典を提供することで、さらにロイヤリティを高めましょう。
WEBサイトの分析・改善
忘れてはいけないのが、上記のフローごとの目的に沿った最適なWEBサイトとなっているかの効果検証です。SEO対策で検索上位にヒットすることはもちろん、シェアしたい・問い合わせてみたいと思った時にすぐにそのアクションを起こせる動線となっているかは、とても重要です。
また公開後の数値分析を適切に行い、新たな課題や問題点を洗い出すことで、それに応じた改善策を打ち出し、ブラッシュアップを定期的に行いましょう。
インバウンドマーケティング成功のためのポイント3つ
ここまでインバウンドマーケティングとは何か、またそのメリットとデメリットと具体的な実践方法をみてきました。ただ実践するだけでなく、インバウンドマーケティングを成功に導くための3つのポイントをお話します。
ターゲット層の明確化
まずは商品・サービスのターゲットを明確にしましょう。その際有効なのがペルソナの設定です。ターゲットは「女性・会社員・30代」というようにざっくりとした属性で設定しますが、ペルソナはもっとふみこんだ具体的な人物像を設定します。
ペルソナ例 |
竹田美穂 32歳
【家族構成】夫と1歳の子供の3人家族 |
どんな人にいちばん顧客となってほしいかを考え、名前や年齢、家族構成、職業、お金の使い道などを細かく設定することで、ターゲットの行動心理を「この人ならこんな時こう考えるだろう」と想像しやすくなります。
また担当者間でターゲットイメージを鮮明に共有することができるために意思疎通・意思決定のスピードが各段に上がります。そのペルソナのニーズに合ったコンテンツ作成し提供していきましょう。
継続的なコンテンツ配信
いくら消費者ニーズに合った優れたコンテンツでも、コンテンツの配信量がそもそも少なかったり配信頻度がまばらだと、企業側の姿勢に疑問が生じ、消費者からの信頼感を損ねてしまいます。コンテンツの配信計画を立て、それに沿って着実に配信していきましょう。
アウトバウンドマーケティングの併用
BtoB企業はターゲット層が一般消費者より狭いため、インバウンドマーケティングが効果を発揮しやすいと言われています。しかし商品やサービスが市場での地位をまだ確立していない場合、検索すらされないこともあるでしょう。
そうした場合はアウトバウンドマーケティングを併用することで、相乗効果を図ることができます。マス広告やダイレクトメールで認知度を上げ、消費者からの検索を促します。マス広告やダイレクトメールはその規模感から企業としての安定感・信頼感をアピールすることができるため、内側と外側から消費者を購買行動へと促すことが可能です。
もちろんコスト面での検討は必要としても、理想的なのはこうしたインバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの併用です。
インバウンドマーケティングのご相談はUP SPICEまで
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