音声検索の最適化(VSO)に必要な6つの対策
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スマホやタブレットの普及に伴い、いつでもどこでもインターネットに接続して情報収集できるようになりました。それに加え、スマホに話しかけて検索したり、スマートスピーカーの登場により、友人や家族に話しかけるようにして必要な情報へとアクセスできるようになったりしています。
Googleをはじめとする検索エンジンも、こうした音声による検索に対応するべく変化を続けているため、サイト運営者にはさまざまな対策を求められるようになりました。
とはいえ、音声検索について何から対応すれば良いのかわからないというWEB担当者もいるでしょう。
そこでこの記事では、今後ますます増加するであろう音声検索について、サイト運営者がとるべき6つの対策について解説していきます。音声検索の対策は今後ますます重要になりますので、今からできることをひとつずつ始めていきましょう。
この記事の目次
音声検索とは?
音声検索とは、ユーザーが一定のセリフでスマホやスマートスピーカーに声を掛けると、スマホやスマートスピーカーに内蔵された音声認識システムが反応し、音声に含まれるキーワードを検索エンジンで検索して、適切な答えを返す仕組みを指します。
たとえば、明日の天気が知りたい場合「OK,Google、明日の天気は?」と話しかけると、ユーザーが住んでいる地域周辺の天気予報が表示されます。
内蔵されたシステムを起動させるには「OK,Google」「Hey,Siri」など、システムごとに異なります。しかしシステム起動後には、通常の話し言葉でも認識されるなど、その精度はかなり向上しています。
音声検索の認知が広がった理由
音声検索の認知が広がった理由としてはいくつかありますが、その代表的なものとしてはスマホやスマートスピーカーの普及でしょう。
音声で気軽に話しかけるだけでシステムが起動し、必要な答えを返してくれる音声検索は、日常のさまざまなシーンでサポートしてくれます。
検索する際にキーボードも不要なため、キーボードの操作に慣れていない人でも、音声であれば数秒で検索できるのも認知が広がった理由のひとつといえます。
スマホの利用者は若者層だけではなく、近年はシニア層の利用も増えています。ガラケーと呼ばれる携帯電話よりスマホのほうが画面が大きくなったとはいえ、小さなキーボードを打つために画面をジッと見る行為は目を疲れさせ、ストレスを感じるでしょう。
音声検索であれば、「OK,Google」「Hey,Siri」などと声を掛けるだけで、知りたいことがすぐに検索できます。
音声検索が使われるシーン
音声検索が使われるのは、さまざまな日常的なシーンです。スマホ以外にも、音声検索が可能なスマートスピーカーの普及でますます音声検索が広がっています。ではどのようなシーンでよく利用されているのかを見ていきましょう。
自宅での音声検索
音声検索は自宅でよく使われています。たとえば、料理をしている最中は両手が塞がっていることが多いものです。合わせ調味料の分量を忘れてしまったとき、肉を切っている最中であれば、スマホで検索するには手を洗わなければなりません。手を洗うためにいったん料理の手を止めるのはかなり面倒です。
こういった場面でも、音声検索ならスマホに声を掛けるだけで、合わせ調味料の分量を記載したページが表示されます。
また日本では、オンラインユーザーの約7割の人が、人前で音声検索を使用するのが恥ずかしいと回答しているデータがあります。たしかに大勢の人がいる前で「OK,Google」「Hey,Siri」とスマホに声を掛けるのは恥ずかしいかもしれません。
しかし自宅なら、誰にも聞かれることなく存分に話しかけられるうえ、キーボードを使うより早いため自宅でよく利用されているのだと考えられます。
参考:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1710/05/news128.html
車中やバイクでの音声検索
車やバイクなどで外出しているときにも、音声検索が活躍しています。運転しながらのスマホ操作は法律で禁止されていますが、運転中にどうしても情報を得たいときがあります。
たとえば、ガソリンスタンドを探している場合です。音声検索なら「OK,Google」「Hey,Siri」などと声を掛けた後、「この近くのガソリンスタンドはどこ?」と話しかければ、現在地に近いガソリンスタンドを探してくれます。
ハンドルを握りながらのカーナビやスマホの操作は大変危険ですが、音声検索なら得たい情報を声だけでスマートに検索できます。その他にも、旅行先で道に迷ったときや人気のカフェやレストランを探すのにも役立つでしょう。
音声検索で使われるツール
ユーザーはどのようなツールを使って音声検索をしているのかを見ていきましょう。音声検索最適化(VSO)のためにも、ユーザーが使用しているツールを把握しておくのは大変重要です。
スマホ
まずは普及率の高いスマホからみていきましょう。
Android
Androidの場合、スマホにGoogleアプリをインストールすれば「OK,Google」と声を掛けるか、マイクのアイコンをタップすれば音声検索が利用できます。
声を掛けても動作しない場合は、Googleアプリの中の設定でVoice Matchをタップして「OK,Google」がオンになっていることを確認しましょう。
iPhone
iPhoneの場合は、サイドにあるボタンを約2秒長押しするとSiriが起動します。Siriが起動しない場合は、iPhoneの設定から「Siriと検索」を有効にしましょう。「Hey Siriを有効にする」「サイドボタンを押してSiriを使用」「ロック中にSiriを許可」などがあるので、必要に応じてオンにします。
PC
PCの場合は、Windowsならブラウザを立ち上げて音声検索を行います。たとえばGoogle Chromeなら、検索窓の右側にマイクのマークがあるので、それをタップすると音声検索ができるようになります。また、Microsoft edgeも、Google Chromeと同様検索窓の右側にマイクがあります。Macはブラウザを立ち上げなくてもSiriで検索可能です。
PCの種類によっては、デスクトップPCなどマイクが内蔵されておらず、外付けのマイクの場合があります。自分の使用しているPCにマイクが内蔵されているかどうかをまずは確認しましょう。
スマートスピーカー
Google HomeやAmazon Echoなどのスマートスピーカーを使う場合、機種によって使い方が異なりますが、いずれも機種ごとの決まった掛け声で作動します。Google Homeの場合は「OK,Google」、Amazon Echoの場合は「Alexa」と声を掛けます。
各スマートスピーカーはAIアシスタントに対応しているため、話しかけるとニュースの読み上げのほか、調べ物をしたりメモを取ったり、家電を操作したり、そのほかちょっとした雑談まで可能です。
音声検索の回答として選ばれる11の傾向
SEO調査会社であるBacklinko(バックリンコ)は2018年、音声検索においてGoogle Homeが回答した1万件にも及ぶデータを分析しました。
その結果、音声検索からどのような回答が選ばれているかを共有しています。
- ページの表示速度が平均的なページより速い。平均表示時間は4.6秒。通常のページ表示速度より52%速い
- HTTPSで保護されたサイトである。回答に選ばれた70.4%のサイトがHTTPSによる保護をされていた
- 短く簡潔な回答もしくは短文である。文字数にして29語程度
- サイト内の構造は回答において重要な役割を担っていない可能性がある
- ドメインオーソリティの高いサイト。Google HomeにおけるSEOツールのAhrefsの平均ドメイン評価は76.8だった
- Facebookなどのソーシャルメディアでよく共有されているコンテンツ、つまりSNSでの人気度が高いページ
- シンプルで読みやすいコンテンツである
- タイトルタグにクエリが含まれている必要はない。音声検索クエリごとのページ作成は効果的ではない
- 長い形式のコンテンツから音声検索の回答を調達する傾向がある(ページの平均単語数は2,312語)
- デスクトップPC検索で上位にランク付けされているコンテンツが回答として選ばれる可能性が非常に高い
- 強調スニペットに表示されていると、音声検索でのランク付けに役立つ傾向にある。すべての回答のうち、40.7%は強調スニペットが表示されていた
自社サイトを音声検索でも表示させるには、従来の基本的なSEO対策をしっかりと行いながら、さらに音声検索最適化(VSO)を行って、上位表示させていくことがポイントとなります。
参考:https://backlinko.com/voice-search-seo-study
音声検索の最適化(VSO)における6つのポイント
では、今後も確実にシェアが広がるであろう音声検索について、サイト運営者はどのような対策を講じるべきなのか、ここでは具体的な6つの対策についてご紹介します。
- ページの表示速度を向上させる
- ローカル検索を意識する
- モバイルフレンドリーなサイト作りを心がける
- 話し言葉を意識する
- FAQページを作成する
- セキュリティ対策を強化する
ページの表示速度を向上させる
Backlinko(バックリンコ)の分析結果にもあったように、まずはページの表示速度を向上させましょう。音声検索では、ユーザーへの素早い回答が求められています。
通常のSEOにおいても、ページの表示速度は重要です。Googleの調査によると、ページの表示速度が3秒遅くなると直帰率は32%も上昇すると公言しています。
ページの表示を計測するには、Googleが無料で提供している「Google PageSpeed Insights(グーグルページスピードインサイト)」が便利です。
グーグルページスピードインサイトの使い方はとても簡単です。自社サイトのページURLを入力すると、そのページの表示スピードが0~100の数字で表記され、ページのどこを直せば表示速度が速くなるのかを一覧として示しています。ページ速度が遅い原因を明確にして改善に取り組みましょう。
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ローカル検索を意識する
音声検索では、ユーザーの現在地において必要な情報を求めていることが多いです。たとえば、ドライブ中の音声検索であればガソリンスタンドの位置、旅先であれば「地域名+飲食店 おすすめ」のような、ローカルなキーワードが検索される可能性が高いといえます。
そのため、音声検索においてはページ内にショップ名のほか、所在地や電話番号などのNAPを意識して記載しましょう。
Googleマイビジネスを利用すれば、自社の情報をGoogleマップに表示できます。実店舗を持つ企業は積極的にGoogleマイビジネスを取り入れましょう。
モバイルフレンドリーなサイトづくり
音声検索はスマホやタブレットの音声検索機能を用いるため、ユーザーは必然的にスマホやタブレットからの閲覧が多いという特徴があります。まだWEBサイトがスマホ向けの閲覧に対応していない場合は、早急なモバイルフレンドリーなサイト作りが必須といえます。
スマホ対応の方法として挙げられるのはレスポンシブデザインの実装です。レスポンシブデザインは、デバイスが変わってもそのデバイスのディスプレイサイズに合わせて自動的に最適なサイズで表示させられます。
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話し言葉を意識する
音声検索では、話し言葉を意識したサイト作りを心がけましょう。
ユーザーが音声検索をするときは「渋谷 カフェ おすすめ」のような単語の羅列ではなく、「渋谷でインスタ映えするようなオシャレなカフェのおすすめは?」などのように話し言葉になります。
WEBサイトを音声検索に最適化させるには、キーワードを含めた話し言葉の文章を記載しましょう。
FAQページを作成する
話し言葉に合わせてサイト内にFAQページを設置しましょう。その際、ユーザーからは5W1Hを含む質問が多くなります。
5W1Hとは「Who(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)」を指しています。
たとえば「港区でおすすめのワインバーは?」「マンションの水漏れはだれに相談すれば良いの?」「彼の家にあいさつに行く際のおすすめの手土産は?」など、話し言葉による検索に合わせやすいといえます。WEBサイトではこれらのユーザーの質問に対する回答を用意しておくと良いでしょう。
セキュリティ対策を強化する
前述のとおり、Backlinko(バックリンコ)の報告によると、音声検索による回答に選ばれた70.4%のサイトがHTTPSで保護されていました。
音声検索に限らず、HTTPSで保護されたサイトは通常のSEOにおいてもGoogleからの評価が高くなります。
音声検索のまとめ
人前ではまだ音声で検索するのが恥ずかしいという日本人は、オンラインユーザーの約7割にも上ります。しかし、そう遠くないうちに、外出先でおすすめのカフェを音声検索していたり、自宅で音声検索を使って、調べ物を解決したりする人も増えてくるでしょう。
音声検索最適化(VSO)は未知な部分もありますが、Backlinko(バックリンコ)の調査結果にもあるように、音声検索の回答結果として表示されやすいのは、これまでのSEO対策に通じているところがあります。ユーザーが音声で検索するのはどんなシーンなのかを想定しながら、音声検索最適化(VSO)を学び、自社サイトを見直しをしてみましょう。
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